「DXを進めたいけれど、誰に任せればいいのか分からない…」
「担当者を決めて任せたのに、現場の反対にあって全然進まない…」
多くの経営者様から、こうした「人」に関するご相談をいただきます。
実は、DXの成否を分けるのはツールの性能ではなく、「推進チームの作り方」と「社内政治(キーマン攻略)」にかかっていると言っても過言ではありません。
今回は、数多くの現場支援を行ってきた経験から、DXを加速させるための「チームビルディング」の極意をお伝えします。
1. 理想のDXチームは「3つの役割」でできている
まず、社長一人でDXを進めるのは限界があります。かといって、ITに詳しい若手を一人任命して「あとよろしく」と丸投げするのも失敗の典型例です。 成功するプロジェクトには、必ず以下の3つの役割が機能しています。
1. 社長(意思決定者): 「やるぞ」という方針を示し、最終的な責任を持つ人。特に「やらないこと」を決める判断や、予算・リソースの確保は社長にしかできません。
2. 推進者(ハブ役): 現場からの信頼が厚く、みんなを巻き込める人。部長クラスや現場のキーマンが適任です。この人が「社長がこう言ってるからやろうぜ」と現場を説得できるかが鍵を握ります。
3. 実行者(実務担当): 実際にアプリを作ったり、ベンダーとやり取りをする人。ITスキルだけでなく、現場の要望を形にする翻訳能力が求められます。
この3人がスクラムを組み、「社長のトップダウン」と「現場のボトムアップ」を繋ぐ体制を作ることがスタートラインです。
2. 最大の壁「反対する部長」をどう攻略するか?
しかし、現実には理想通りに行きません。 よくあるのが、「推進者になってほしい部長が、実はDX反対派」というケースです。 「今のやり方で回ってるから必要ない」 「忙しくてそんな暇はない」 現場を熟知し、責任感がある人ほど、変化に対して慎重になりがちです。 ここで「社長命令だ」と押し切ると、面従腹背となりプロジェクトは頓挫します。
では、どうすればいいのか? 答えは「泥臭い説得」しかありません。 ロジック(効率化・利益)で攻めるのではなく、感情とメリットで口説き落とすのです。
- 「部長が大切にしている部下の負担を減らすために、このツールを入れたいんです」
- 「今の業務を否定するわけではありません。むしろ、部長のノウハウを仕組み化して、後輩に継承したいんです」
相手が何を守ろうとしているのか(部下、品質、プライドなど)を理解し、「あなたの敵ではない」と行動で示し続ける。時にはスモールスタートで小さな成果を見せ、「これなら入れてもいいか」と思わせる。 DX推進とは、実はこうした社内政治とコミュニケーションの積み重ねなのです。
3. 「諦めない」が最強のスキル
もし、社内に適任者がいない、あるいは説得に失敗した場合はどうすればいいでしょうか? そこで諦めたら試合終了です。社内にいないなら、外部の専門家(私たちのようなパートナー)をチームに入れるのも一つの手です。
大切なのは、社長自身が「何があってもこの改革をやり遂げる」という覚悟を持ち続けることです。 プロジェクトは必ず停滞します。反対も出ます。その時に「やっぱり無理か」と引くのではなく、「じゃあどうすれば進むか?」と考え続けられるか。 DXとは、単なるシステム導入ではなく、「困難を乗り越えて会社を変えていくプロセス」そのもの**なのです。
結論:DXは「人」で始まり「人」で終わる
ツールはあくまで手段です。それを使いこなし、会社を良くするのは「人」です。 まずは社内を見渡し、信頼できる「推進者」を見つけること。 そして、その人と腹を割って話し合い、最強のチームを作ること。 それができれば、どんなツールを使っても、きっと御社のDXは成功します。
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【編集後記】 もし「ウチには推進者になれそうな人がいない…」とお悩みなら、まずは私たちにご相談ください。社長の想いを言語化し、現場との間に入ってチーム作りから伴走させていただきます。泥臭い調整役、引き受けますよ。