作成日時
Feb 17, 2026 5:58 AM
最終更新日時
Feb 17, 2026 6:04 AM
「DXを進めて業務を効率化したい!」 そう意気込んで社員に伝えたのに、返ってきたのは冷ややかな反応…。 「今のやり方で回ってるんで大丈夫です」 「新しいことを覚える余裕なんてありません」 多くの経営者様から、こうした「社員の壁」にぶつかったというご相談をいただきます。実は、DXが頓挫する最大の理由は、ツールの良し悪しではなく、この「社長と現場の温度差」にあることがほとんどなのです。
今回は、なぜ社員はDXに反対するのか、そしてそれをどう乗り越えればいいのか。
失敗しないための「考え方」をお伝えします。
- なぜ社員は「めんどくさい」と感じるのか? まず理解すべきは、社長と社員では「見ている景色」と「危機感」が全く違うという構造的な問題です。 社長は「会社の存続」「将来の利益」を考えてDXを推進します。 これは経営者として当然の論理です。 しかし、現場の社員からすればどうでしょうか? 会社が儲かっても自分の給料が即座に上がるわけではありません。 むしろDXによって新しいツールを覚える手間が増えたり、仕事のやり方が変わるストレスの方が大きいのです。 つまり、「会社のためのDX(論理)」を押し付けても、社員の心(感情)は動かない。このギャップを埋めない限り、どんなに便利なツールを入れても定着しません。
- トップダウンと「愛」のバランス では、社員の顔色をうかがってDXをやめるべきでしょうか? 答えはNOです。 変化を嫌う現場に任せていては、いつまでも改革は進みません。 導入の意思決定自体は「トップダウン」で行う必要があります。 ただし、そこで必要なのが「現場への愛(寄り添い)」です。 「トップダウンで決めるけど、君たちの負担が増えないように全力を出します」 「一時的に大変になるけど、その分こういうケアをするよ」 この姿勢があるかどうかが、成否を分けます。
- 「会社の利益」を「個人の幸せ」に翻訳する 社員を動かす最強の方法は、DXの目的を「その人にとってのメリット」に翻訳して伝えることです。 例えば、Excel業務を一手に引き受けているベテラン社員がいるとします。 「効率化のためにクラウド化しよう」と言っても、「私の仕事を奪う気か」と警戒されるかもしれません。 しかし、こう伝えたらどうでしょうか? 「クラウド化すれば、あなたが急に休んでも他の人が対応できるようになる。 そうすれば、あなたは休暇中に会社からの電話を気にせず、家族旅行をゆっくり楽しめるようになりますよ」 あるいは、 「業務効率化で利益が出たら、決算賞与で還元する」 「残業を減らして、定時で帰れるようにする」 と約束するのも効果的です。 「会社のため」ではなく「あなたの人生を豊かにするため」にDXをするのだと伝える。これが、反対派を協力者に変える鍵です。 結論:DXの8割はコミュニケーション 私たちは常々「DXはツールが2割、コミュニケーションが8割」とお伝えしています。 社員が反対するのは、根っからの悪人だからではありません。 今の職場や仲間を守りたいという、彼らなりの正義がある場合も多いのです。 まずは社長自身の言葉で、「なぜやるのか」「やるとどんないいことがあるのか(社員にとって)」を、愛を持って語りかけてみてください。 もし、「どう翻訳して伝えればいいか分からない」という場合は、ぜひ私たちにご相談ください。 社長と現場の間に入り、両者の想いをつなぐお手伝いをさせていただきます。
【編集後記】 DXは、社長一人では絶対に完遂できません。現場を巻き込み、時には失敗もしながら、チームで「より良い働き方」を作っていくプロセスそのものがDXです。焦らず、対話を重ねていきましょう。