作成日時
Feb 18, 2026 2:14 AM
最終更新日時
Feb 18, 2026 2:20 AM
「現場の業務を楽にしようと思って導入したのに、誰も使ってくれない…」
「多機能なツールを入れたのに、『分かりにくい』と不満ばかり」
DX推進担当者や経営者の皆様から、こうした悲鳴にも似たご相談をよくいただきます。
良かれと思って機能を充実させたはずなのに、なぜ現場は拒否反応を示すのでしょうか?
今回は、私たちが数多くの現場支援で痛感した、「受け入れられやすいDX」と「失敗するDX」の決定的な違いについてお話しします。
- 「全部入り」が諸悪の根源 失敗するDXの典型例は、「あれもこれも」と全ての業務を一つのシステムに詰め込んでしまうことです。 日報も、経費精算も、顧客管理も、稟議も…と機能を盛り込むとどうなるか? アプリの画面はボタンだらけになり、現場の社員は「どこを押せばいいのか分からない」状態に陥ります。 人間は、目の前に選択肢が増えるだけでストレスを感じます。 「このアイコンだっけ? こっちだっけ?」 このほんの0.1秒の迷い(判断コスト)が積み重なると、人はそのツールを使うのが嫌になります。結果、「面倒だから後でまとめてやろう」となり、データ入力が滞り、DXは失敗に終わります。
- 成功の鍵は「一番頻度の高い業務」を「一番楽」にすること では、どうすればいいのでしょうか? 答えはシンプルです。 「一番頻度の高い業務」だけを切り出し、それを「何も考えずにできるレベル」まで簡単にするのです。 例えば、営業マンにとって最も頻度が高いのは「日報」や「活動履歴」の入力です。 ここをターゲットにし、スマホで数タップするだけで完了するようにします。 「訪問先を選んで、完了ボタンを押すだけ」 これくらい極限まで機能を削ぎ落とし、画面の情報量を減らすのです。 「え、それだけしかできないの?」と思われるかもしれません。しかし、「これなら自分でも使える」「前より楽になった」という小さな成功体験を現場に持ってもらうことこそが、DXの第一歩として何より重要なのです。
- 「あったらいいな」は全部捨てる勇気 ツールを作っていると、つい「この機能もあったら便利かも」というアイデアが出てきます。しかし、初期段階においては、 「あったらいいな」という機能は「全部やらない」と決めてください。 「必須機能」以外は徹底的に削る。 トレードオフを恐れず、利便性よりも「分かりやすさ」を優先する。 この「引き算の勇気」を持てるかどうかが、現場に定着するかどうかの分かれ道です。
結論:DXは「ボトムアップ」で進化させるもの 機能を絞ったシンプルなツールを使ってもらうと、次第に現場が慣れてきます。 すると不思議なことに、現場から声が上がり始めます。
「ここ、もっとこうできませんか?」
「あの機能も追加してほしいです」
こうなればこっちのものです。
現場からの要望を受けて機能を追加していくプロセスこそが、健全なDXの姿です。
最初から完璧な100点満点のシステムを押し付けるのではなく、まずは60点のシンプルな道具を渡し、現場と一緒に育てていく。 もしDXが進まなくて悩んでいるなら、まずは手元のツールの機能を「捨てる」ことから始めてみませんか?
【編集後記】
私たちが提供する「0円DX」では、Googleの無料ツール等を使い、機能を絞り込んだ「自社専用アプリ」を短期間で作ります。「市販のツールは多機能すぎて使いにくい」と感じている方は、ぜひ一度「引き算」の発想で業務を見直してみてください。